dec.のアイテムを使ったインテリアのアイディア後編。トートバッグはどんな使い方ができますか?
初めて背伸びをして買った
一人掛けのソファが
教えてくれたこと
初めて背伸びをして買った
一人掛けのソファが教えてくれたこと



トートバッグは収納に使えるんですよね。どさっと入れておけるから便利なの。例えば靴下。昔、実際にハイソックスとか、スニーカー用の短いソックスとか、丈感ごとに分けて収納してたことを思い出して。

トートバッグはうちにもたくさんあるから、玄関近くに置いて、キャップとか、ギュッて入れても平気な帽子を入れておくのにいいかも。

リビングの壁にトートバッグを収納バッグとしてディスプレイ。

見た目がかわいいからクローゼットにしまっておいたらもったいないじゃない?自分の目に触れる場所にあるとかわいくていいよね。色や柄が違うものを並べておくと、どこに何が入っているか探しやすいのも利点。

トートバッグってインテリアにもなるんですね。並べてみるとかわいい!
dec.のアイテムの使い方を即興で考えてくれた石井さん。石井さんから飛び出す斬新なアイディアに高山さんも興味津々。

バスケットに布を敷いておくと食器同士が触れ合う音を防いでくれ、緩衝材にもなります。
蓋つきバスケットをキッチンまわりで使うアイディアも驚きでした。

さっきはお茶道具を入れたけど、いつも使うご飯茶碗とお椀を入れておいてもいいかも。そのままポンとテーブルに出すだけでご飯のセットができるから。

動線がそれだけで完結しますもんね。お箸とか必ず使うものをまとめて入れて置いたら時短にもなるし。

丸いかごってこういうお茶碗みたいな丸い器と相性がいいんです。丸くて角がないところに四角形のものを入れちゃうと、どうしてもスペースにロスができちゃう。
なるほど!丸い器なら無駄なく収納できるんですね。

DIYの道具をしまってある引き出し。

今、座らせてもらっているこの丸テーブルもそうですが、ちゃんと使われてこの家で大切にされているものがいっぱいあって。思い切って買った家具はもう自分の人生の一部だからテーブルについたシミとか傷もそれも個性というか味というか。

それがまさしくその家での使い方っていうか、その家での育ち方だよね。逆に使いこんできた痕跡がないとつまらない。使い込んでいくよさ、時間をかけてセルフビンテージにしていく、そういう楽しさのあるものと過ごす方が心地いいと私も思います。

ボウルを玄関の鍵入れに。布やコースターを敷いておくとカチャカチャ音がせず、陶器に傷がつくのを防ぐ役目も。

今の家に引っ越した時、当時は一人暮らしだったんですけど、佳苗さんにアドバイスをもらって、初めて一人がけのソファを買ったんです。

都ちゃんと家具を選んだ時だよね。これから頑張ろうって奮発して、1人掛けのソファを買ったでしょ。あれも最初に買うものとしてはすごく高かったよね。

あの時は白目でした!人生初で。きっとこれから自分が頑張っていく指針になるだろうなっていう買い物で。その時に佳苗さんから「1人暮らしに大きなソファじゃなくたっていいのよ」と言われて。なるほど、と思ったんです。


リビングには3人掛けのソファっていうイメージがあるけど、私、1回も買ったことがないの(笑)。でもその方がフレキシブルなのね。場所を移動できるし。バーンと大きいソファを置いちゃうと、そこがもう固定されちゃってその前にテレビを置くことになる。そうすると、そこに座ってテレビを見る生活になっちゃうから。

引っ越し=ソファがあって、テレビがあるっていうのは自分の固定概念だったんだと、その1人がけの 素敵なソファから教えてもらって人生観がガラッと変わりました。

頑張って買った家具が家に来ると大切にしようって思わせてくれる存在になるよね。今まで適当に座れればいいやと思ってた家具とは全然違う。
籐のバスケットには同じサイズの本をまとめてブックシェルフに。

あの時に頑張って買った家具を置いている場所だけは自分の聖域だと思っていて、どんなに忙しくてもそのソファの上に物を置きっぱなしにしないように気をつけてます。

そうそう。だから手荒な扱い方はしたくないし、掃除機をかける時もガシガシやらないように気をつけようとか、そういう気持ちが芽生えて、自分を育ててくれる。だから高いものを買うってすごく大変なことなんだけど、それ以上のものをいっぱい得ることができる。

本当にあの時頑張って買ってよかった。一人掛けのソファにいろんなことを教えてもらいました。

モノの用途にとらわれず
自由に楽しく”飾る”とは?
モノの用途にとらわれず
自由に楽しく”飾る”とは?


日差しが差し込む窓際のデスク。木製のトレイを活用してデスク上を整理。
食器を中心にdec.のアイテムをインテリアとして飾るなら石井さんはどんなふうに使われますか?

そうですね。例えば小皿だったら細々とした文房具を入れてみるのはどうでしょう。デスク周りってクリップとか付箋とか細々したものがいっぱいあるから、そういうのを整理するのにぴったり。長皿にはペンを置いてみたり。


長皿はペントレイに。個性的な形の小皿には散らばりやすいクリップや付箋をまとめて。

なるほど。食器とそこに置くものの大きさは飾り方の1つのポイントになるんですね。
アクササリートレイとして使っていただいた平皿はどうですか?

平たいお皿はインテリア的にはむしろ使いやすいですよ。細々としたものって、そのまま置くとバラっとしてしまうけど、平皿に置いて「場」を作ってあげると細かいものがひとつのまとまりに見えるから。お気に入りの小さいものを置いておくのにおすすめ。


確かに石井さんのお宅を見渡してみると「場」を作って飾ってあるものが多いですよね。

本の上に置いて「場」にしてもいいし。わっぱトレイも同じように使えます。

わっぱトレイの上に本とオブジェを置いて、小物を飾る「場」として活用。

「場」になるってすごいキーワード! 佳苗さんはいろんなものを“こう使ってもいいんじゃない?”って、発想が軽やか。“器は食事に使うもの”っていう固定概念を1回外すところからインテリアの楽しみ方は始まるのかも。
そういった固定概念から上手に自由になるコツってありますか?

かわいいものを見ると食器棚にしまっておくのは、もったいないなと思っちゃうんですよね。見ていたいなと思うと出しておきたい。となると、ただ置くんじゃなくて、オブジェとして飾ったり、実用的にアクセサリーを入れたり。そういう方向性につい考えがちですね。

ピッチャーやマグカップをオブジェ代わりに棚上に。シルエットがかわいいピッチャーはそれだけでサマになる。大きさが異なるものを3つ並べるとバランスが取りやすい。

平皿は細々としたものをまとめて置く「場」として使いやすいアイテム。

これはみんなが欲しいマインド!
本当ですね。かわいいものはしまっておいたらもったいないですね。

取材中ずっとテーブルの上にゴロンと寝転んでいたのは猫シャインズの“メグ”。

佳苗さんはモノ選びの真美眼ってどうやって磨かれてきたんですか? 私だけじゃなくて、このお家に来た人ならみんな気になるはず(笑)

それなりに高い勉強代を払っております(笑)。実際に買ってみて、ちょっと違ったかも……というのを繰り返して、何十年もかけて、ようやく失敗しなくなったかなって。
それってどんな失敗だったんでしょうか?

年齢にもよるんですよね。年齢と自分のお財布事情。そりゃいいモノだというのはわかっていても若い時は買えるものは限られてきますよね。その中でうまく折り合いをつけていく。今振り返ればあんなものも買ってたし、こんなものも買ってたなと思うけど、それはそれでいい経験。そういう時代を経て今があるので。

すごくわかります。私も欲しくても、なかなか買えなかったです。


いきなりは難しいからちょっとずつ練習が必要。例えば、今回の食器のテーマでいうと、かわいいなって思うものを何枚かそろえるっていうところから始めてみたらいいんじゃないかな。そこから興味が出てきたら、少しずつ買い足していく。
好きなものがわからない、何を買ったらいいかわからないっていう声もお聞きするのですが……。

改めて自分が何が好きかって考えると難しいかも……。
平皿とデザートカップを組み合わせて立体感のあるアクセサリートレイに。

好きなものっていうと、“自分は何が好きなんだろう?”って言葉にするのもなんか難しいじゃない? だけど、好きじゃないものは実は自然に排除してるから、そっちの方が簡単。何が好きかがわからなくても、嫌いなものはわかるじゃない?

確かに! 好きなものより嫌いなものの方がわかりやすいかも。

感覚的にこれは違うなっていうのはわかりやすいから、それを入れないようにしておけば大丈夫。

“好きじゃないものを入れない”。すごくわかりやすいです。それならみんなマネできますよね。今日、家に帰ったらさっそくやってみます!

dec. BY CLIP
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