TempalayのCho&Syn、シンガーソングライター・トラックメーカーとして
活躍するAAAMYYYによる、NUMERALS 2021 EARLY SUMMER ITEMSと、
自身の定番アイテムをミックスしたファッションストーリー。
NUMERALSがテーマとする「都市」にまつわるエピソードも語ってもらいました。
まだ長野に住んでいた12、13歳の頃、書道の表彰式に出るために、初めて東京に来ました。首都高に入った途端、高いビルがうわーっと広がるその光景に圧倒されたのが、東京という都市の最初の印象。かっこいいなって。このかっこいい街には、かっこいい人たちがたくさんいるんだろうなと。
大学でいざ東京に出てきたら、現在のように綺麗になる前の渋谷や新宿の、ちょっと汚いところも目の当たりにして。その光景に、人々が都市を活用している様子がみえて、人間味を感じることができ、純粋に好きだなと思いました。
大学の終わりに、カナダに留学して見た景色は、日本とはまたぜんぜん異なる光景で。地震が多くないこともあってか、昔からある建物がいまもそのまま使われている。そこに何十年も前からあるはずなのに、綺麗で、それが現代でも馴染んでいて、大切に使われているんだなと感じました。
カナダにいた時に、音楽もはじめました。カナダではバスに自転車をそのまま乗っけてもいいし、電車に動物と一緒に乗ることだってできる。そんな環境のなか、子供がスケートボードで移動するような感覚で、わたしは音楽をはじめました。それは、すべてがフラットで、生活の延長にあるような、ごく自然な流れで。
日本に帰国してみると、大きな商業ビルが数多く建設され、まさにコンクリートジャングル。その差に大きな衝撃を受けたことを覚えています。カナダは5年後も10年後もいまと変わらぬ景色が続いていることが安易に想像できるけど、東京の10年後はどれだけ変化しているのだろうと。音楽に関しても、生活の延長線にナチュラルに存在していたものが、日本では一種の特別な何かに変わってしまった気がして。クリエイティブなことをしようとしているのにクリエイティブな雰囲気になれないことに、ネガティブなイメージが芽生えていた時期もありました。
ただ、そのネガティブさは、いろんな人と会って仲間ができて、さまざまな意見を聞くことでどんどん変わっていった。新しい気づきが増えるにつれて、東京という都市も好きになりました。すべては自分の心の持ちようだなと。都市と人との印象が結びつくことで、感じかた・考えかたが変化したんです。
思えば、東京にきてからホームシックになったことはありません。日々が目まぐるしすぎて。情報をいっぱい吸収したいから、そこに集中していたんだと思います。情報が溢れている状態は、嫌いじゃないんだと思うな。
いまも続くコロナ禍で、さまざまな変化が起きましたよね。ライブは思うようにできないし、人に気軽に会えなかったりすると、これまでの状況がとても幸せなもので、すごく面白かったなと感じます。制作にももちろん変化はありました。いままでは、社会システムに対する疑問などを音楽に入れ込んできましたが、この状況になってより多くの人が気づき、考えるようになった。その影響か、わたしがつくる音楽では、より楽しいものを。自分のなかに眠っている古い思い出や、仲間の大切さのような、わたしが改めて気づいた大事なことがインスピレーション源になっています。
良い意味で、これからはいままでと同じようにやっていては、うまくいかなくなっちゃったような気がします。この状況を、いかに良い方向にもっていくのか。より良く変化する方法をみんなで考えることが、楽しい期間なのかなと思ったりもします。もちろん大変だろうけど。でも、考え方次第でどうにでも捉えられるから。だからこそ、ポジティブな方向に考えていけるようになったとき、世界がぐんと開けていくだろうなと思います。
東京には好きな場所がたくさんあって、ライブハウスだとリキッドルームが好き。都市のなかにぽつんと自然がある感じが心地よくて、神社も好きです。街を歩いていて、急に神社がでてくるとハッとしませんか?日本人の心に気づかせてくれるような感覚というか。あと、初台の高速道路のうねった感じや、池尻の巨大なコンクリートのジャンクションも面白い。首都高考えた人ってすごいですよね。ちゃんと人びとに活用されていて、まさに文明。それに順応できる人もすごいな。人って適応する生き物なんだなって改めて考えちゃいます。
T-shirt ¥4,950CHECK
AAAMYYY(エイミー) シンガーシングライター/トラックメイカー。2017年からソロとしてAAAMYYY(エイミー)名義で活動を開始。2018年6月から”Tempalay”に正式加入し、Cho&Synを担当。多種多様なアーティストとのコラボレーション、モデル、楽曲提供、CM歌唱提供等、幅広い活動で注目を集める。
CREDIT
Creative direction / Produce - Yuito Ueda
Art direction / Web design - Takuya Asakura
Photography - Hirotsugu Hoshikawa
Photography / Retouch (City visual) - Rumi Ando
Styling - Kan Fuchigami
Hair - Kazuma Kimura
Make-up - Chihiro Yamada
Casting - nico
Text / Edit - Akari Gima
Production : hashiruhito productions